FC2ブログ

拉致事件を想定済みの警察の初動捜査!?|【横田めぐみ拉致事件】第2回

※この記事は最後まで無料でお読みいただけます。

拉致事件と3号庁舎
本ブロマガに度々登場し、私が常々取材対象としている北朝鮮元工作員について説明したい。同人は、横田めぐみ拉致事件についても貴重な情報を語ってくれている。何故語ることができるのか、それは元工作員が所属していた「3号庁舎」と呼ばれる部署に理由がある。この3号庁舎とは「情報機関」の通称で、約10年前まで実働していた朝鮮労働党の情報機関である。平壌市の朝鮮労働党3号庁舎に、作戦部、統一戦線部、対外連絡部の3部門が集約されていた為、そのように呼ばれていた。金日成、金正日の2代にわたり、特別な予算と絶大な権力が付与されていた。なお現在、作戦部は軍の偵察局に統合され、対外連絡部は朝鮮労働党統一戦線部の隷下に再編されている。公安関係者は元工作員について、「3号庁舎の工作員に関しては、我々も話を聞いています。かなり詳細に話しているようですね。ウソはなかったと聞いています。但し裏が取れない部分もあります。」と評価していた。私が重要な情報協力者としている所以である。


本回は横田めぐみ拉致事件の第2回目。全3回を予定し、全て無料配信の記事と致します。横田めぐみ拉致事件における、世間では公表されていない新事実に関しても取り上げていきます。ぜひお読みくださいませ。
yokotamegumi_rachigenbayokotamegumi_rachigenba_syuhenmap
特定失踪者問題調査会の現地取材に同行した、本ブロマガの編集委員が撮影した写真。今は駐車場になっている角に、悲鳴を聞いた女子大生が下宿していた建物があった。2階に下宿していた。なお隣り(黄色)の家が横田家。悲鳴を聞いて下を見たが、植込みで見えなかったという。横田めぐみは、自宅まであと10メートル以内の所で拉致されたということがよく判る。2枚目の地図は、現地にあった案内板を撮影したもの、位置関係が判るように加工した。

警察当局は初めから拉致を想定していた!?


横田めぐみの悲鳴を聞いたという新証言は、事件発生以来41年余様々な思惑によって塗り固められた分厚い壁を突き崩す「蟻の一穴」となるかもしれない。特定失踪者問題調査会(荒木和博代表)による現地調査報告を聞き、久しぶりに興奮した。

新潟県警の初動捜査は、長年の事件記者のカンにより「営利目的誘拐」を想定から除外した捜査体制と直感したと、前号で述べた。私は自分のカンを確かめるべく、平成15年5月20日大阪府熊取町で発生した吉川友梨ちゃん事件を担当した、府警捜査1課OBに話を聞いた。

「友梨ちゃん(事件)は事件発生が夕方だった上、現場には町民やマスコミが我々より先に到着していて、ゲソ痕(足跡を指す警察用語)が探せない状態だった。そこに町内放送で友梨ちゃん行方不明が流れた。まだ誘拐の線もあった。あきらかな初動捜査ミスです。そう思うと横田さん事件は、初動で躊躇なく機動隊まで投入している。営利誘拐が事件の想定から消えていますね。何らかの情報を幹部らは得ていたということでしょう。当局得意の隠し、隠蔽が働いたのかもしれませんね。」捜査畑一筋30年、彼の話は説得力がある。「やはり・・・」、私は手応えを感じた。

横田めぐみ拉致事件には「当局得意の隠し」を臭わせる事案がまだある。事件発生の翌日、昭和52年(1977年)11月16日現場近くの海岸で身元不明の若い女性の変死体が上がった。DNA鑑定による照合が行われるのが通常であるが、その対象から横田めぐみが外れており、捜査員がこの件で横田家を訪れることはなかったのである。警察は「拉致」を掴んでいたのか。当時の新潟中央警察署長は、後年横田夫妻に謝罪をしているが、何を掴んでいたかは語っていない。これら捜査を巡る状況証拠から、少なくとも警察は、横田めぐみの生存を前提とした初動捜査を行っていたことは明らかである。横田めぐみの悲鳴証言はこれを裏付けた。まさに蟻の一穴である。

北朝鮮との交渉は水面下で行う~常に拉致事件隠しに執着する日本政府


平成16年(2004年)11月、北朝鮮が横田めぐみのものであるとして提供した人骨が偽物だと判明、これを受けてフライデー編集部は、横田夫妻独占インタビューを企画、編集部から1人、記者3人、カメラマン2人が横田家に赴くことになり、私も加わった。

「これがDNA鑑定書です。何を書いているのか、全く分からないのです。見て下さいよ。」と言って横田滋氏は、資料を広げた。インタビュー内容は多岐にわたったが、私の関心は「生存情報について、何か新しい情報が政府からもたらされているか」という一点だった。政府からも司法関係者からも何一つ情報はないという事だった。インタビュー後、増元照明家族会事務局長(当時)と食事をした際、「家族に情報など話す訳ない・・・」と彼は言った。せめて家族には何か伝えているのではないかと、一縷の望みをもって取材に臨んだが、当局の口は予想以上に堅かった。

最近本稿を書き始めてから、政府関係筋から頻繁に連絡が入るようになった。肝心な事柄について口が堅いのは今も昔も変わらない。とは言っても、私が何を書こうとしているのか聞きたいので、周辺の事情は色々と話してくれる。以下はその関係者の話である。

「拉致問題は安倍総理や菅官房長官から、あくまで北朝鮮との交渉は水面下で行うと言われている。外務省の元田中均審議官がやった方式と同じだ。違うところは拉致被害者家族の高齢化です。何せ時間がないのです。北村滋内閣情報官を軸に行われている東南アジアやモンゴルなどでの交渉は、注視しなければなりません。かなり機は熟しています。最近では月に二度も北朝鮮側高官との交渉をしているようです。これには安倍総理も相当腹をくくっているという話のようです。早ければ来年3月ですよ。期限を切った動きになっているようです。死亡とされた拉致被害者に関する新情報はありません。特に横田めぐみ拉致事件に関しては、北朝鮮側は頑な姿勢を崩していません。」

彼の話しを鵜呑みにはできないが、来年の3月に何があるのか、北村内閣情報官の動きに偏りすぎても、大事な事象を見逃す恐れもあるが、とにかく注視していきたい。

次号第3回は、シリーズ最終回です。「横田めぐみの身柄がペルーに?」公安情報などを中心に最新情報をお伝えします。

コメント

非公開コメント
Profile

佐村多賀雄

samurajournal

大阪芸術大学卒。地方紙記者、講談社フライデー、そして週刊現代を経てフリーに。週間フライデー拉致犯追跡チームにて拉致実行犯に対し直撃取材を何度も試み、多くのセンセーショナルな記事をあげる。その膨大な取材量と捜査員など関係者一同からの聞き取り調査は、現在においても色あせることはない。『なぜ犯人が捕まらないのか❓』という疑問に対し、現場の最前線でこの20年近く向き合い続けてきた、拉致事件を専門に扱う異色のジャーナリスト。

Search

検索フォーム

RSS

RSSリンクの表示

QR Cord

QRコード

QR