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拉致に日本人協力者!?元捜査員が語る工作活動の実態|【宇出津事件】第5回

※この記事は最後まで無料でお読みいただけます。

宇出津(うしつ)事件とは
1977年9月18日に石川県能登半島の宇出津(うしつ)で発生した拉致事件。宇出津はこの地方の旧町名であり、今でも宇出津商店街や宇出津新港などその地名は地元民に親しまれている。この宇出津を代表する石川、福井両県のリアス式海岸(大小多数の入江が続く、海岸線が複雑なことが特徴)は北朝鮮工作員がゴムボートで接岸し、工作員を送り込むのに適した海岸線であった。この事件の被害者・久米裕(当時52歳)は北朝鮮工作員である在日朝鮮人李の偽計により騙され、北朝鮮からやってきた屈強な工作員の男たち複数名にこの海岸より工作船に乗せられ北朝鮮へと渡った。久米は政府認定拉致(日本政府が公式に拉致被害者と認定した事件・被害者をいう)の一人であり、今も日本に帰国出来ていない。
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第3回で公開したチャート図を再掲したのでご覧頂きたい。図の左上の2段目に拉致事件の日本人協力者「駒崎等子(こまざきとうこ)」が記載されている。彼女は一体何者なのか。名前の枠には彼女の任務として「斡旋」とあるが、何を指しているのだろうか。私が拉致について取材を続ける中で、「日本人協力者」の存在を知ったことは驚愕の事実であった。まさか同胞である日本人が、拉致と言う同胞を他国に売り渡す犯罪行為に絡んでいたのである。この件に関して、元捜査員は次のように語る。

「協力者が在日関係者ならわかるのだが、なぜ日本人協力者がいたのか。やはりお金が動いていたようだ。この女は、久米裕を探す事(拉致対象者の選定作業)が主たる任務で、他にも北朝鮮工作員が利用する潜伏場所の確保にも関わっていたようだ。捜査が進むにつれその役割の大きさが明らかになった。」

と、この日本人女性の役回りについて詳しく語ってくれた。後日、フライデー編集部は都内の取材班を使って拉致事件の日本人協力者「駒崎等子」を徹底的に調べた。しかし、この時点で事件から25年以上経過しており、彼女の人となりを掴むことはついにできなかった。

またこの捜査員のセリフに「在日朝鮮人なら分かるのだが…」という発言も要注目だ。一般のユーザーにはあまりキーワード検索されていないが、朝鮮総連を代表とする在日朝鮮人が拉致事件に主体的に関わってきたことは、マスコミが決して公表しない真実の一つであろう。よって、その在日朝鮮人でなく、一般の日本人が協力していたというのは本当にセンセーショナルなことであった。

さらに元捜査員は拉致という犯罪全般についても「一人の工作員では拉致事件を遂行するのは絶対に無理です。とくに70年代に続いたアベック拉致事件には、相当数の工作員がいた。任務終了後、本国からの指令で帰った工作員もいる。北へ帰れば再教育や、新しい任務もあったのでしょう。」と見解を語った。国内には拉致を支援する組織があって、相当な数の在日朝鮮人工作員及び本国からの潜入工作員が活動しているという事である。これは評論家の言葉ではない。元捜査官である彼の言葉には捜査に裏打ちされた事実が貼り付いている。言葉の重みが違うのだ。

何度も取材を重ねる中では、元捜査員はこんな話もしてくれた。当時警察庁には工作員の写真がアルバムにして5冊以上あって、顔写真だけでなくアジトの写真や周辺者の情報まで管理されていたという。その一例として、2階建ての古い戸建て住宅に高齢の女性が一人暮らしという情報を挙げ、これが北朝鮮の工作活動の典型だと教えてくれた。あらためて、チャート図をご覧いただきたい。左上に「アジト」として東京都保谷市(現在は西東京市)の記載があり、73歳の東村マサが一人暮らし2階建とある。この時点でこの建物は現存していた。それが次に掲げる写真である。元捜査員が語った「工作活動の典型」どおりの佇まいであることがよく判る。

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「そこがポイント、70、80代のおばあちゃんなら夜中に流れる短波放送による指令など聞こえない。午前0時から2時間程度だが、それでも工作員はかなりの緊張を強いられる。相当に疲れるものだ。」こう語るのは、その後取材に応じた元工作員だ。

この元工作員の取材経緯については本ブロマガにてまた後述の機会を持ちたい。この金日成政治軍事大学で学び、心身ともに鍛え抜かれた経歴をもつ元工作員をしてこう言わしめる北朝鮮からの指令は、ラジオに耳を付けて数字を読み取っていくという作業で、一つでも聞き漏らすと意味が分からなくなってしまうという。工作員の間でこの短波ラジオ指令は、「A-3指令」と呼ばれている。本稿では宇出津事件の際やりとりされた「A-3指令」そのものを公開して、事件の詳細を検証する。


次回は、宇出津事件シリーズの第6回目。拉致実行犯の在日朝鮮人・李春吉の指導役でもあり、宇出津事件主犯格の拉致実行犯・金世鎬(キム・セホ)に追求。また李の自宅の家宅捜索の模様も詳しく記事にしております(拉致実行犯の金世鎬-本国からの北朝鮮工作員|【宇出津事件】第6回)


※本来は無料でのブロマガ配信を考えていたのですが、フリーでの取材活動を続けていくために経費ねん出の必要性もあり、月500円の購読料のご負担をお願いすることとなりました(第6回目まで無料)。このブロマガは私の体力が続く限り継続していくつもりです。よろしければ拉致事件の真実を一緒に考えていただきたく、何卒ご購読をお願い申しあげます。

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Profile

佐村多賀雄

samurajournal

大阪芸術大学卒。地方紙記者、講談社フライデー、そして週刊現代を経てフリーに。週間フライデー拉致犯追跡チームにて拉致実行犯に対し直撃取材を何度も試み、多くのセンセーショナルな記事をあげる。その膨大な取材量と捜査員など関係者一同からの聞き取り調査は、現在においても色あせることはない。『なぜ犯人が捕まらないのか❓』という疑問に対し、現場の最前線でこの20年近く向き合い続けてきた、拉致事件を専門に扱う異色のジャーナリスト。

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